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なぜオマージュが多い?匂わせUndercover・XG GALA震えて考察②

※この考察はシリーズものです。初めての方はこちらからどうぞ→フランス語の謎を追うと裏物語が始まる・XG GALA震えて考察①

最後にフランス人の女の子が、呟きます。

メットガラをXガラにしちゃったよ
なんか知らんけど…

フランス人の女の子は、目の前に広がる凄まじい光景に、はっと我に返ったのか、とてつもないことをしたのに、無意識でやっちゃったかのようなこのセリフの脱力感。

そして最後のあのポージング。
この素晴らしいXガラに、宇宙空間に、自分がしちゃったみたい…自分でも信じられないけど…最高…と恍惚としている表現のようです。
この締めくくりのユーモア、1番好きなところです。

ところで、楽曲の始まりから終わりまで様々な人達や作品が紐付けされています。

モーゼやイザヤやズーランダー…その他様々な人や作品をリンクさせているのは何故か。

《EXODUS》のモーゼ、《blue steel》や《MUGATU》のズーランダーに登場する人々、ロッドマンに服部半蔵、マドンナ、ビッグ・ボス・ヴェット、その他たくさん…。
数多のオマージュが散りばめられていて、衝撃を与えてくれましたが、その尋常ではない元ネタの量。なぜこれほど多様な世界をリンクさせているのでしょうか?

​1つ目は、純粋な愛が生んだ、垣根なき宇宙祭典の表現。
​素晴らしい作品や人々は、Xガラの招待客。
国境や時代、場所、史実やフィクションの垣根なく、Xガラの宇宙祭典に集っているということを表現する側面です。

XGがファッションやアートへのその愛のままに祭典を開いたなら、すべての境界が優しく解けて全肯定の宇宙空間に、意図せずとも、なってしまう。
MV終盤の、床(境界)が溶けて宇宙空間になる表現は、表の意味ではXGの、裏物語ではフランス人の女の子の、純粋なファッション愛の強さを物語っています。

​(なので、メットガラが内包してきたシビアな背景を批判して、という成り立ちではなく、ただ圧倒的なファッション愛を作品へ落とし込んでいる気がします。このあたりのファッションのこと、HARVEYのROACHのことなどは、アート編にて…!)

もう1つは、情報量として、祭典に様々なすごい人達が「たくさんいる」という量を描くための仕掛け。

歌詞やMV、振付に紐付けることで、歌詞の限りある文字数の中で登場する人物の数よりも、あの人もいる、この人もいると、聴き手の頭の中で登場人物の数が膨れ上がるわけです。

あの人がこんな風に登場してる!というメットガラを観る時の楽しみとも、この仕掛けは美しくリンクしているのだと思います。

浮かび上がる、フランス人の女の子の物語。

さて、フランス人の女の子を追っていたら、1つの物語が浮かび上がってきました。

名も無いフランス人の女の子が愛の力で、障壁を破り、新世界への道を切り拓き、メットガラを宇宙祭典に塗り替えてしまった物語。
終いには愛の力で境界線を溶かして宇宙空間に。

女の子の、ファッションへの純粋な愛、圧倒的と言える程の愛の力についての物語。

物語とMVや振付けがリンクしていて、ドタバタ劇があって、コメディタッチでくすりとさせ、楽曲の最初のイメージとは全く別物なGALAの裏物語として成立しています。
そして、そう読めたら、そうとしか読めません。

こんな物語が隠されていたとは、と思ったら、そういえば、あの言葉遊びがUndercover。

まだ謎は全部解けていないようです。

何層にもなっている…怖い…

何のための匂わせか。

Only Elle I know is the mag what’s the issue?
私の知ってるElleは雑誌だけ、何か問題でも?

文中なのに、ここだけ文字の頭を大文字で強調した《Elle》は、フランス人の女の子である〝彼女〟の存在を示唆しています。

歌詞の上で潜むような違和感は、物語上での異変を匂わせていました。

また、

I’m like a narc
ナルシストnarcで麻薬捜査官NARCて感じ

cause I’m always on the cover
いつもカバーガールなのに潜入捜査ってわけ

ナルシストを表すnarcは、前のフレーズ《もはやアート、ファッションを愛するお洒落上級者》の流れから。
そして、麻薬捜査官はNARCなので、次のフレーズのon the coverはその音から、Undercover潜入捜査という2重の意味になっています。

このJURINのセリフ。
GALAの中に潜んで、何かを秘密裏に行っている者がいることを、本当は言いたい。
〝Undercover=潜入、秘密裏に行う〟
フランス人の女の子の存在の匂わせをしていたわけです。

現代のSNSでの匂わせ。本当の言いたいことは別にあるというやつ。現代のフォトの側面を切り取っています。

このUndercoverの匂わせの、なんとハイセンスなこと。楽曲のモチーフに合わせてフォトから、現代を、匂わせを、こんな風に描写してしまうなんて。それに、匂わせがこれだけではない感じが漂う…

この物語で、1番大事なものを秘めていそうな、本当の匂わせ。

というのも、Undercoverというワードが現れた途端、MVのいくつかの映像と結び付いて、これはGALAを読み解く鍵の予感…
Under coverはキーワードの可能性大です。

つまり、フランス人女の子の存在がGALAの楽曲に潜んでいることや、メットガラをXガラにしたのはその女の子というオチのための、単なる伏線としてのUndercoverではないのです。

それこそUndercoverおとり。

結びついた映像にヒントがありそうです。