HYPNOTIZE震えて考察シリーズ|第11回
初めての方はこちらへどうぞ→#セイレーンが誘う深淵で全てが始まる・XG hypnotize震えて考察①|JURIA、JURIN、CHISA、HINATAは誰なのか?
深淵
次から次へと行く道が照らされ、より深淵へと私たちは誘われてここまで来ました。
…深淵って、そういえば。
MVの後のBehind The Scenesをいつもながら楽しみに見て、その次の、今までにない異質さを放つXGALXスタジオの白黒作品『Live view XG’s CORE』を見て、ふと思ったこの言葉、
『深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている』 ニーチェ(哲学者)
今、MVと繋がるような気がします。
深淵をのぞく時云々とは、無意識の覗き方の指南です。
MVでCHISA(神アポロン)が、とても小さな人間の部屋のベッドを見ているカットがあります。
JULIA(眠りの神ヒュプノス)がベッドに入るカットもありますが、ヒプノタイズで、ベッドは〝眠り〟のモチーフです。
眠りとは、意識が休み、無意識の領域が優位になる状態です。
アポロンは、ベッド(眠り=無意識状態)を、まるで本のページをめくるかのように見ています。
これは、無意識に対してのアポロンの観察の仕方を言っているのかもしれません。
つまり、無意識の領域は〝アポロンみたいに客観的に見るんだよ〟ということ。
深淵は、本当に危ないから。
アポロンみたいに見てこれたかというと…?
ここまで書いてきて、客観的な視点、心がけてきたと思います。
けれど、主に情熱で書いて、無我夢中で、そういえばここは深淵で、自分は果たして自分の思う自分だったのか、迷い込んでいてもおかしくないと思えてくる。
ただ、情熱の先がXGなのが嬉しいことだけは、確か。
もっとXGのことを考えて書いていたい気持ちも。
そう。今ここにある熱量や喜びが、本物で、自分が確かに自分としてここに在る証が、この心の熱や揺らぎだという実感がある。
深淵も、XGとならどこまでも。
けれども、自主的に客観的視点を心がけたようでいて、視線を操られている自覚がある。
視線を操られていた
実は、ヒプノタイズを考察する中で、不思議と、次々に、自然と、引き出される言葉がありました。
見ること・目に関する言葉です。
アポロンの見守る、見つめる、視点、目で追う、見逃さない、眼差し、目覚める、見え方、ユングの観点、クリアに見える、深淵を覗く…などなど、全て思い出せないくらい、その割合が多い。
すると、自ずと自分の見方や客観的な視点に、とても注意を払うようになっていた。
まるで催眠術にかかったように、目に関する言葉が引き出され、視線を操られるように、客観的な見方を意識せずにはいられなかった。
XGの引力そのままに素直に、けれど操られていると何となく分かっている。
それも心地よく受け入れながら。
本来は危険な深淵も、深淵で最も気をつけるべきことを、知らぬ間に気をつけて安全に、XGが手を引いてくれたから、怖がらずに夢心地で心の奥底へと来れた気がします。
〝まるで〟ではなく〝完全に〟催眠術にかかっていたのかもしれません。
そういえば、目と言えば、MVで瞳の中に小さな人影がいるカットがあります。
MVの瞳の中の人影
その小さな人影は、後姿で、顔も何もかもよく見えないまま一瞬で消える。
かろうじて見える足の形や、人間にはない頭部の突起から、ミノタウロスっぽさを感じるけれど、そのミニチュアのような可愛さからは恐怖や不安を感じさせずミノタウロスっぽくもない。
この描写は、〝ミノタウロスであり、ミノタウロスではない何か〟を象徴しているのかもしれません。
ここで、考察で見てきたミノタウロスを振り返ってみましょう。
ミノタウロスは恐怖や不安の象徴です。
その影のエネルギーは、恐怖や不安を否定して逃げるほど増大し、暴走し、自分自身を傷つけてしまう。
そしてアポロンがミノタウロスを受容し鎮め癒した物語がありました。
ヒプノタイズの歌詞は、このことが鍵となり、世界観の転換が起こり出した。
ミノタウロスから始まったあのメッセージがなければ、以降のメッセージに辿り着くことはできなかった。
ヒプノタイズを読み解く〝鍵〟は、ミノタウロスを見つけることにあった。
つまり、MVの瞳の中の小さな人影は〝恐怖や不安を象徴するミノタウロスそのもの〟を表しているのではなく、
〝鍵としてのミノタウロス〟だった。
そして、人影のいる〝瞳〟は、〝その鍵を見つけて捉える私たちの瞳〟という予告メッセージだったと、今さらながら予告に気がつく。
(恐怖や不安が、私たちの人生において〝鍵〟になることも予感させながら)
その仕掛け通りに、鍵を見つけてここまで来れたようです。
けれどもそれは、客観視を意識せざるを得なかったように、スポットライトとミノタウロスにまず私たちの目が自然と向いてしまう誘導があった。
始まりの鍵を見つけたのは、視線を操られて。
催眠術にかかっているのは、私たち。
瞳について
私たちは光に導かれるまま、ただ光に吸い寄せられた順に考察してきました。
このページトップ画像にもある大きな瞳や、MVに出てくる大きな瞳は印象的ですが、主題の在り処を示すようなライティングではありません。
けれども、XGの核の発見を終えた後に〝これがキーワード〟と言わんばかりに〝目・見ること〟に関する言葉が、どうしてもまた出てくる。
これは、このタイミングで、瞳について考えさせる仕掛けのようです。
喜んで操られて、今、瞳についてユングの視点で見てみましょう。
ユング的に、瞳(目)は意識や魂の窓を、視線は自己意識の目覚めを、象徴しています。
つまり瞳は、自己と無意識を結びつける重要な象徴的役割を果たしていると言えます。
MVの中で瞳は、大きく強調されています。
これは、自己が内なる無意識の世界を見つめている、あるいは無意識からの情報を最大限受け取ろうとしていることの象徴と解釈していいと思います。
まさに、私たちがヒプノタイズを追って深淵を辿って、何かを受け取ろうとしてきたこれまでのこと。
大きな瞳は、ギリシャ神話XGを介して自分の無意識の世界を見つめてきた、その〝私たちの瞳〟ということ。
自分の目線が知っていた
このヒプノタイズの世界を操られながら、自分の視線は、どこに向かっていたかというと、全て自分の内側。
何を見てきたのか、色々見てきたけれど、結局、全て愛。
この深淵を辿ってきた自分の目線から、メッセージを感じる。
自分自身の内側を、自分自身を、愛するんだよ。
遥か遠くまで追って行った気がするのに、辿り着いたのは、自分の内側の中心に最も近いところ。
愛を囁くような目線の旅。
ただの没入じゃなかった。
ただの旅なんかじゃなかった。
自分の内側との丁寧な対話の過程だった。
魂が旅した。螺旋階段をたぶん上がった。
見える景色が違う。
こんなの他に類を見たことがない、唯一無二の体験。
これがXGのアート作品。
これを表現するXG。
ほんとに凄まじいとしか…
どうなってんの…

