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XG-HYPNOTIZE-深淵を辿ると現れる②歌詞解釈2人のリアル震えて考察

楽曲歌詞の解釈

ヒプノタイズの歌詞は、様々に読み取れることで、謎めいて魅惑的な雰囲気を一層深めています。

とても自信たっぷりで魅惑的な女性が心の奥まで魅了する様子とも、ミステリアスな風にも、JURIAがヒュプノスと知った後に歌詞を見ると、楽曲がJURIAで始まりJURIAで終わることからも、夜にヒュプノスが眠りで人を支配する様子と取れます。

そして、もう一つは、
本当は…

愛する存在を守るための癒し、と読めると思います。

歌詞の冒頭から見て行きましょう。

逃げているもの、その正体は何か。

深く潜っていくようなイントロ。
その先で、光を感じるような音と声がする。そして、《逃げているものから逃げられない》というフレーズ。
ミステリアスな雰囲気に対して、JURIAの優しさ溢れる声という不思議なバランスに、ただ魅了されていました。
MVを追うまでは、意味は曖昧なままに。


You’re running from what
君が逃げているものから

You can’t escape
逃げられないよ

Come my way
こっちへおいで


ところが、前ページでメッセージを得た後だと、その正体の仮説が1つ見えてくる…これミステリー。

アポロンは、ミノタウロスを深く癒しました。
ミノタウロスの恐怖や不安という影の激しいエネルギーが暴走して自分自身を傷つけてしまわないように。癒しによって守った。

その影の暴走は、恐怖や不安という影を否定して逃れようとする程、影は濃く大きくなり、影の激しいエネルギーの暴走は熾烈になる。熾烈さに心身はボロボロになる。

このことから、こんな仮説が立ちます。

歌詞のYouでBoyな彼。
彼は、恐怖や不安から必死で逃げている。
それほど恐怖や不安が巨大な恐ろしいもの、自分を攻撃する怪物と化している。(彼の心身はボロボロかもしれない)

だから彼女は、逃げられないし、《こっちへおいで》と、優しく言う。

I’ll put you under

I’ll put you under
意識を遠のかせてあげる

Some kind of state
そうした類の状態にね

Astray
迷い込ませるの


麻酔の際の、意識が遠のいていきますよーという声かけ《 I’ll put you under》ですが、彼女は、苦しみを意識ごと遠のくようにしてあげるよと彼を呼んだ理由を説明をします。

魅惑的な彼女の催眠術-サビ1

So watch me hypnotize
私を見て心を奪うから

You with my eyes
私の瞳の中の君

Make you fantasize
君を夢心地にさせる

Bout me tonight
どう今夜の私

I’m hypnotizing
魅入らせる

Hypnotizing
うっとりさせる


催眠術などなくても、ただ居るだけでうっとりさせてしまえる魅力的な彼女が、今夜はさらに魅惑的な装いで居る。
そんな魅惑的な彼女が、チクタク時計とか小道具も用意して呪文を唱えて、ちゃんと催眠術なんだから見てね、と睡眠術をかける。



Side to side got you hypnotized
ゆらゆらり、君を虜にする

‘Cause everytime my clock
私の時計が

Tick tock like this
こんな風にチクタクする度に

Every little spell I cast
小さな魔法をかけるから

Don’t miss
外さないし
ちゃんと見てね(Don’t miss it見逃すな)

Always on top top top
いつも最高峰で頂点

I’m hypnotizing
私の虜にするの

Gotcha doing what I want want want
ほらね、私の思い通りになってる



彼は彼女にうっとりする。催眠術にかかって、というよりも、自分を虜にしようと一生懸命になっているチャーミングで魅惑的な美しい彼女に。優しい時間が流れます。

彼の表情を見て彼女は、ほらね、虜になってる、思い通りよ、私の睡眠術効くのよと、効果を信じ込ませようとしています。



all night
一晩中

Wake up to the click of sound
クリック音で目覚めます

Follow with your eyes
目で追ってください

Watch me watch me hypnotize
ほら見て見て私の催眠術



この効果は一晩中効いて、クリック音で目が覚めるんだよ、と。つまり彼女は、クリック音が鳴るまで一晩中目覚めないで、彼に眠っていてほしい。
ちゃんと目で追ってね、と彼女は真剣に催眠術をかけようとしています。

催眠術にかけたい本当の思い

You’ll be where I want you every night
君は毎晩私が望む場所にいます

You’ll be back to feed your appetite
食欲を満たすために戻ってきます

Swirling hypno disc illusion
渦巻き錯視催眠術

My command becomes your reason
私の命令は君の存在理由になります

In your consciousness
君が意識で

Now your mind is of no consequence
考えることはもう意味を持たなくなります

I betcha never seen a girl so confident
こんなに自信溢れる子見たことないでしょ?



彼女がかけたかった催眠術。
2人の切実さ、痛いほどの彼女の願いを感じる部分です。



《君が意識で考えることは、もう意味を持たなくなる》

彼に強い恐怖や不安がある前提だと、このフレーズは、意識で繰り返し死を考える、うつの特徴を思わせます。
そんな彼を彼女はいつも見ている。
仮に、彼が重いうつやPTSD等で、彼のことや現状を彼女が理解している時、死ぬことを意識しないで考えないで、と言えない。
言って出来たらうつで人は死なないし、その言葉はさらに彼を苦しめる。だから彼女は、希死念慮を無効にする催眠術をかける。

冒頭《逃げようとしても逃げられないよ》も、彼の恐怖や不安について、彼女に知識や理解や配慮がある言い方です。どのフレーズにも、彼と彼の現状への彼女の深い理解と配慮を感じさせます。



《君は毎晩、私が望む場所にいます》

彼女が、毎晩彼が居てほしいと願う場所はベッド。本当の願いは、彼がベッドで毎晩眠ること。彼は毎晩眠れない。
《意識を遠のかせる》も、麻酔での眠り。
《一晩中/クリック音で目覚める》も、願いは夜の睡眠。

(同アルバムはヒプノタイズを中心にリンクしている。4SEASONSの〝色々試しても眠れない〟は、ヒプノタイズの2人も色々試した末の催眠術ということを示唆)



《食欲を満たすために、君が戻ってきます》

本当の願いは、食欲が出て、食欲を満たすために食べるような元の彼に戻ること。心身の状態が元に戻ること。彼は食事も摂れない。



《私の命令は、君の存在理由になります》

私の催眠術の命令、それが君の生きる理由になるの。生きる理由はそれだけ。
私のために生きて。と。



《こんなに自信溢れる子見たことないでしょ?》

それに、彼は絶対生きる。私のためになら彼は生きる。自分が彼の命を守る、生かす、という自信。

彼女のリアリティ

重いうつやPTSDは仮定ですが、重い病気や辛い状況で食事も睡眠も出来ず、死を意識する心身共にボロボロな状態で、恐怖や不安は心身を壊す激しさ。彼の辛く苦しい現状を感じます。

そして、それを理解し、彼の全てを受け止めて彼の回復を願って、睡眠術みたいに心の奥深くから癒してあげたいと行動する彼女の姿も。

催眠術にかけたい本当の願いに、彼女の言葉や行動に、この彼女らしさ、個性、この彼女のリアリティが溢れています。この彼女にしか言えない迫真性、2人のリアルを感じます。
途中で渦巻き錯視を持ってくるところも可愛い。なんて優しいユーモア。

そして、自分のことをこれほど大切に思い、自分を生かそうと気遣い、優しい配慮で支えてくれる彼女の愛に、彼は、
君は、なんて素晴らしい女性なんだ…と、呟いたのでは。


Cut the compliments that’s just
お世辞はやめて、そんなの

Common sense
常識


すると、お世辞はやめて常識と、そっけなく返す彼女。
自分は諦めているのに、彼女は諦めないんだと、彼は、涙が止まらなかったのでは。
彼女は涙を堪えるために素っ気なくする。
まだ催眠術が終わっていない。

辛い状況の中でも、ユーモアを忘れず自信に溢れる彼女。
彼を守ると決めたから。安心感を与えたいから。癒やしたいから。

さらに催眠術をかける-サビ2

So watch me hypnotize
私を見て心を奪うから

You with my eyes
私の瞳の中の君

Make you fantasize
君を夢心地にさせる

Bout me tonight
どう今夜の私

I’m hypnotizing
魅入らせる

Hypnotizing
うっとりさせる


彼女は自分の瞳に映る彼の変化を見逃さない。彼はうっとりと心が落ち着いて、泣き疲れてもいる。さらに夢心地にする。今の状態なら眠れるかもしれない。眠ってほしい。今夜こそ。さらに催眠術をかける。

1回目サビの時よりも、彼は彼女の催眠術への真意を感じて、心の底から自分から催眠術にかかりたいと思う。
彼女も、絶対催眠術をかける気持ち。
2人の熱量が高まる2回目サビ。


Side to side got you hypnotized
‘Cause everytime my clock
Tick tock like this
Every little spell I cast
Don’t miss
Always on top top top
I’m hypnotizing
Gotcha doing what I want want want
all night
Wake up to the click of sound
Follow with your eyes
Watch me watch me hypnotize

HINATAとHARVEYが囁く理由

When you fall asleep
君が眠りに落ちるとき

What do you see?
何が見えるかな?

I know it’s me
私だってわかるよ



眠りに落ちる間際の彼。
彼の瞼が重くなり遠のく意識の中、瞳は彼女だけを捉えて離さない。
けれど、彼はもう答えられそうにない。
問いと答えを独り囁く彼女の可愛らしさ。
2人の愛に満ちた眼差し。


Dreams


When you’re fast asleep
ぐっすり眠っているとき

It’s all we have
それだけしかないの


そして、ぐっすりと彼が眠っている時。
彼女は、夢、と呟く。
私達には、それしかないんだよ、と。
彼が回復して2人幸せに暮らすこと。
その夢だけしかないよ、と。


愛しかないこのシーンを表現するための、HINATAとHARVEYの囁き。

彼が目覚める

You wake and stare
君は目覚めた、そして見つめる

Like you’re lost in the room
迷子みたいね、部屋の中なのに


彼は、目が覚めた。
自分が眠ったことが信じられないのかベッドからの眺めを不思議そうにあちこちと見つめた。
彼女は、彼のその様子を見て、部屋の中なのに迷子みたい、と笑う。


Too late too bad
あらら遅すぎよ

Boy you know what to do
さあ何をすべきか分かるでしょ

Now you playing my game
もう私のいいなりになるの

I’ll keep you doing my favors
ずっと私の望むままにしてもらうの


そして、ずいぶん遅いお寝坊さん、と言う。彼はたっぷりと眠れた。
さあ、催眠術は1つ目の効いたよ、次は何をすべきかわかるよね?(食事)
私の催眠術は効果抜群だから、もう、君は言いなりなんだよ。とユーモア。
こんな風に、ずっと私の望むままだよ。

彼女は、どれほど嬉しかったことか。
彼が一晩中眠れたこの変化は、回復を望む2人にとって希望そのもの。

終わらない催眠術-サビ3

何か長い闘病の中にもある嬉しい変化に、病院で一喜一憂しないよう気遣ってくれたりするけれど。この変化にどうしたって2人の喜び、希望、安堵感、感謝や愛が深まる。
生きるんだよ、上へ上がっていけるんだよ、絶対に諦めない心で切望するようなシャウトを感じる3回目サビ。


Side to side got you hypnotized
‘Cause everytime my clock
Tick tock like this
(Every time we kiss)
Every little spell I cast
Don’t miss
Always on top top top
I’m hypnotizing (I’m hypnotizing)
Gotcha doing what I want want want
all night (ah yeah)
Wake up to the click of sound (all right)
Follow with your eyes
Watch me watch me hypnotize


催眠術は終わらない、今から遅い朝食。そして、これからも優しい催眠術が続くと予感させるJURIAの穏やかな優しい声。

辛い時にもユーモアや笑顔を絶やさない。
問題を抱えて苦しむ彼を見捨てない。
私達の絆は強いよ。強い絆で乗り越えよう。
XGの皆と、どうしたって重なります。


印象からリアルへの転換

前ページで得たメッセージを当てはめて歌詞を見てみると、曖昧さは消え、フレーズ全てに意味が現れ出し、歌詞に書かれていない彼の苦しむ現状さえ見える。彼女のリアリティや2人のリアルな情景まで感じる。
(サビ部分は同じフレーズなのに、3回とも情景や2人の感情が変化して、見える景色が違うし)

そして、その真実味をより感じさせたのは、XG皆の表現。
JURIAが表現していたのは、優しさ溢れる声は、彼女の彼を愛する心の現れ。
ミステリアスだった印象が、冒頭から徐々に、ピースのはまったドミノのように、楽曲の世界が2人のリアルへと完全に転換してゆくにつれ、表現の意味も後からわかる。

リアルからの本質

夢心地にするよ、うっとりさせるよ、催眠術みたいに心の底から癒すよ、という根底にあったのは、

癒してあげたいと思う真心。
苦しみが癒えることへの切実な願い。
相手のありのままを、現状を受け入れて理解し、気遣う配慮。
相手を何より大切に思い、寄り添う愛。
相手や相手の再生する力を信じる希望。
自分が守る癒やすという自信。
自分達の幸せという夢。
守ること生かすこと上昇を諦めない心…
優しさ、ユーモア、笑顔、絆…

これは、この全ては、愛では。

そして、こうした心が滲み出るような具体的な行動は、単に愛しているという言葉それ以上に、能動的な愛の純粋な形として昇華させています。
心理学者哲学者エーリッヒ・フロムの言う愛の本質と響き合っている…フロムが言わなかったとしても感じる…
これは本質的な愛。最も純粋で深い愛。

ヒプノタイズ歌詞から、そうした本質的な愛と癒しを感じます。

様々に読めるような多面的な歌詞の作りと思ったのですが、歌詞の最初の印象や別の読みやヒュプノス読みも出てきて、そして本質的な愛へ辿り着く…どちらかというと、これは、深度。
深度がどんどん深くなっていく感覚。
最初の印象と見つけた本質的な愛、その狭間には、深くなってゆく深度がある…
この感じ、MVとリンクしている…

そういえば、渦もリンクしています。