このページは考察ページ後編です。
考察前編はこちら↓
英文変化フレーズ&危ないシーン立て続け
Travel too close to the glow
輝きに近づきすぎな旅
宇宙旅行で危ないところにも行ってしまう御一行を思わせるシーン。これを補強して1つ目の意味は、御一行に注意。
That’s where the rays are
そこは放射線がある場所だよ
2つ目の意味は、やはり次のフレーズのシーン補強ですが、音は同じでも英文が変わるタイプです。隠されていた英文なので括弧しておきます。
(That’s where the raise are )
成功するポイントそこだよ
You set the bar too low
君達は随分ハードル低くしてるね
That’s why we raise ours
なるほど私達高く上げてるからね(成功するわけだよ)
このフレーズの1つ目の意味の後、シーンが切り替わり、その後のフレーズを補強するので、2つ目の意味は英文変化タイプで
(That’s why we’re lazy as)
私達めっちゃのんびりしてる理由
7 dots on your screen
7ダメージ与えたよ見て君の画面
旅行中のゲームでしょうか、ゲームの文脈あるので、dotはダメージオンタイム(Damage On Timeの略で、持続的にダメージを与えるスキル)を指す1つ目の意味があると思います。ゲームで相手にダメージを持続的に食らわせて、こちらは余裕でのんびり。
同じ英文2つ目の意味は、次のフレーズに展開する意味でそのまま
君の画面に映る7つの点
Like stars gotta claim ours
星座みたい スターは自分達の名を主張しなきゃね
星のスターとアーティストのスターが掛かって、おたくの画面ちらっと見えたけど、何なのそれと、XGの権利の所属に関して主張する必要がある状況を感じます…スターに起こり得る問題とはいえ、XGはそのような問題に煩うことなく大切に守られて、健やかにさらに大きく輝けるよう、関係者の皆様、どうかお願いします。
I just do what I do
やることやるだけだよ
And our dues yo we paid ours
私ら払うもんは払ったんでね
さっきはXGの権利の問題でピリつく雰囲気で、次は生命の危機なんてそんな…
Oxygen level low
酸素濃度が低い
Vapors is all I’m breathing in
私が吸ってしまっているのは蒸気だ
(Vapes is all I’m breathing in)
電子タバコだけ吸っている
これはシーン補強というよりユーモアへの転換の側面が強いと思います。連続した危機感からの解放を感じさせるユーモアで、役割は大きいです。
Had to hit up Rapsody
ラプソディを呼ばずにはいられなかった
ラプソディ!
The queen no bohemian
本物のクイーン ボヘミアンラプソディの方じゃなく
言うまでもなく、アーティストのクイーンの楽曲ボヘミアンラプソディと掛かってますね。
そして、ラプソディとバース(ラップのフレーズ)をやり取りをする場面で、ラプソディの天才的な感じが、いとも簡単にパスを渡してくるという描写に出ています。でも尊敬するラプソディにso convenient?
8 bars pass off with ease so convenient
華麗なフレーズ8行やすやすとパスが来る
なので、ここは1つ目の意味の上では
(8 bars pass off with ease/so convenient)
easeの後で改行でso convenientは次のシーン展開に入っていて、2つ目の意味を匂わすヒントになっているように感じました。
2つ目の意味では、フォートナイトというゲームのVerseパスの意味だとconvenientもしっくりきます。
(Verse path off with ease so convenient)
Verseパス無効化簡単便利だね
I see the play
ゲームプレイわかったわ
終盤の歌詞に入ってきました。高い周波数というフレーズの後の my wave というフレーズは、宇宙の高い良い感じの周波数で遊んでいるようでもあり、巻き起こすトレンドの波のようでもあり、それをサーフィンのように楽しんでいるんだからさ!という感じがします。
Get off my wave
降りな 私の波だよ
Get off my wave
どけろ便乗すんな
Get off my wave let me be
出てけ 私の波自由に乗らせろ
(Get off my way let me be )
干渉すんな 私のやり方で私にやらせろ
直後ではないけれど5行後のthe wayと響き合うし、発音からも、やはりここはmy wayとして2重の意味で捉えて良いかと。
my way私の人生に干渉すんな…という和訳もありですが、実際に今何かやっていて、それを私のやり方でやるんだという方が、やる強い意志を感じて文脈的に合いそうと思いました。後々のthe wayとも合う感じ。それか本当は3重4重と意味があって、人生の意味もあるかもしれません。
そして、畳み掛けるJURINのアカペララップいよいよ開幕
Everytime I go in I feel anointed
祝福された気持ちになる 足を踏み入れる度
I’m like Christopher Nolan on a Neumann
ノイマンマイクの前に立って 私ってクリストファー・ノーラン監督みたい
足を踏み入れる度に祝福された気持ちになるという敬虔な心を感じさせる表現の対として、ここにも隠されたものがありそうと思ったら、ノイマンはパソコンだなあと思い(現代のパソコンはノイマン型コンピューターが基盤)クリストファーはキリスト教の伝説上の聖人でキリストを運ぶ者という意味なので、2つ目の意味は
(I’m like Christopher no run on a Neumann)
ノイマン型PC上で実行しえないキリストを運ぶことその者のように
パソコン上で簡単にポチッと実行なんてできないことをひたすらに努力を積み重ねてやる、いろんな思いやプレッシャーを背負いながらも祝福された気持ちで実行する、そんなJURINちゃんの姿を感じました。
この一文から、題名が聖書由来というのは確実かもと思いました。
そして、そういう気持ちを持ちながら限界までやっている。
The way I push it back to the limit
限界まで追い込むやり方
Seems like I’m double jointed
ほら二重関節みたいでしょ私
可動域がすごいJURINちゃん、練習の追い込みを限界までしながら可動域をほら見てーと見せている感じで、1つ目の意味はそのまま。そして2つ目は、英文変化タイプで、次のシーン補強の意味とシーン切り替えを担って、ほらーっと見せながら会話をしている感じで繋がりがより自然になるので
( like out of the blue joyed)
晴天の霹靂って感じで喜んだよ
I been appointed my employment
決まってたの 私の仕事
Is recording these tracks
このトラックを録ること
Just for your enjoyment
ただ君を楽しませるために
I’m excited hope you feel the raps
ワクワク このラップを感じてくれたらいいな
Punching like Tyson is science
タイソンみたいなパンチは科学領域
次のフレーズで、私はニールドグラスタイソン(天体物理学者)の方と言っています。ゲームの名前指定の時と同じ感じでしょうか。
2つ目の意味は、その博士の方のタイソンと、前のフレーズではラップを感じてほしいとあるので、英文変化タイプでパンチライン入っていると思います。まさにそう。
(punchline Tysonic science )
タイソン的科学領域パンチライン
I’m Neil de grass
私はニールドグラスタイソンの方ね
Spaced out but I’m grounded
ぽわんとしてるけど地に足が着いてるよ
Like I’m near the grass
芝生の辺りにいる感じ
密告者の近くにいるみたいに
1つ目の意味はそのまま。2つ目は英文変化しないタイプでgrassの意味が密告者。
2つの意味によって、ぽわんとしつつも、やるときは誰よりも油断なく目を光らせている感じが表現されています。(3つ目の意味でLike I’m Neil de grassありかと思ったけれど発音曖昧にしていない感じで)
Do this with a passion you see the flash
情熱を込めてやると光って見えるんだ
I write like fire fighters
消防士みたいに書く
I fill the draft
渦巻く炎が満ちる
原稿を埋め尽くす
楽曲の印象はどこまでもクールでかっこいいのに、この熱さ、熱。心鷲掴みです。涙。1つ目の意味は、消防士の流れから、draftは爆発的火災のバックドラフトを指していると思います。
自分の中で充満した熱が爆発的に燃え上がっている。その炎を感じて立ち向かう。ものすごい熱量で原稿を埋め尽くしている。その時の勢い。表情。
空間裂くかのようなキレを見せるJURINちゃんのラップのクールさと、この内なる爆発的炎の熱との対比。MVでは書き上げた後の作品をクールに表現している時が見える。歌詞は書き上げる最中のその時が熱さが見える。最後にこれが重なる。
時も縦横無尽。
余韻となる哲学
前編後編と2ページで、その意味があることで裏付けとなったり役割が大きい2重の意味を持つフレーズを中心に書いてしまいました。最後まで考察を読んでいただきありがとうございました。
ここからは感想なんですが、高次のものに圧倒され目が眩みながら最後まで和訳してみて、最初から最後まで歌詞が貫くXGの哲学と、歌詞によって垣間見えたJURINちゃんの姿が、余韻のように心に残っています。
手軽な承認欲求の時代にあって、XGが目指すのは本質的、本当の価値を求めて創造すること。
別次元へ持っていくために、最高値を叩き出すために、新たな価値を生み出すために、プレッシャーが重くのしかかることであっても、ひたすらに努力を積み重ねて実行する。文化への敬意とビジョンを持って、とてつもない熱量と労力をかけて実行する。
そのJURINちゃんらしさ心の熱さ美しさ。その価値。創造するということ、その人らしさ、それが本当に光るのはどういう時か。
そういうことが、すごく心に。
泣いてもいいですか。
この輝きは、この余韻は、いつまでも続く。そういう光だ。
XGのみんなそれぞれの美しい光が、自由に、心のままに、愛されて守られて…。大きく輝く、いつまでも。
原曲歌詞と和訳はこちらです↓
